ちょっと前に「ミズナラを割る」というブログを書きました。
薪ストーブで暖を取る山小舎では薪割は欠かせない仕事です。
燃料の薪は、伐採業者や管理事務所からもらっているので、山小舎には雑多な木材が集まります。
近辺で採れる木材は、ナラなどの広葉樹のほか、カラマツなどの針葉樹、白樺などが主なものです。
このうち広葉樹は薪として売り物になる、など商品価値があるものなので、いきおい、山小舎に回ってくる丸太は良くてシラカバ、多くはカラマツです。
このカラマツ、やにを多く含み、そのまま燃やすとストーブを傷めたり、煙突が詰まりやすくなるといわれており、一般的には燃料には適しません。
しかも、非常に割りずらい材質なのです。
試しに1本、玉切りしたカラマツを割ってみます。
長さ45センチほど、直径も15センチほどでしょうか。
これがもしミズナラだったら、斧で気持ちよく割れることが多いサイズ感です。ところがカラマツでは・・・。
斧で一刀両断できることは稀です。
いや、割れないまでも斧の刃が手ごたえも気持ちよく丸太の断面に食い込むことすら期待できないのです。
やむなく、楔を使い、ハンマーで切り口から食い込ませてゆきます。
斧で一刀両断できなくとも、楔を使うと割れるのが、広葉樹やシラカバなどですが、カラマツはそれでも解決しない場合が多いのです。
楔は食い込むものの、スパッツと割れないカラマツ。
ある程度、ひびが入った場合は、丸太を横にして斧で割ることもあります。
特に節などがなくても、丸太の内部の筋がねじれ、絡まりあい、スパッツと割れないのがカラマツの特徴です。
非情の粘っこいというか、往生際が悪い。
扱いずらい材質。
カラマツの姿に外来生物の特質さえ感じてしまう山小舎おじさんですが、カラマツは日本固有種とのこと。
薪炭資材には適さず、乾燥後に狂いが生じやすいので板材としても適さないというカラマツがどうしてこんなに豊富にあるのか。
生育が早いので戦後、山林に大規模に造林されたかららしい。
植えっぱなしでほおっておくような山にはカラマツを植林する、ということなのでしょうか。
といっても、木材として利用もせず、熊、鹿などの野獣を、その実などで涵養する性質もないカラマツは、資源としてどうなのだろう、と思う山小舎おじさんでした。
まだまだ割らなければならないカラマツが庭にたくさんあります。
注)カラマツは割った後に、一定期間、雨ざらしにし、やに成分を飛ばしてから薪に使うと聞いたことがあります。
動力式薪割り機などでどんどん割って、雨ざらしでやにを飛ばしてから十分乾かせば、カラマツも燃えやすい薪として使えるのかもしれません。
カラ松は割りにくいですよね。赤松はかなりマシですね。割りやすいのは栗です。うちはそれでも周りがそうなので赤松とカラ松ばかり燃してます。
カラ松は昔電柱が木だった頃に植えたのにその後コンクリートになってしまって使いみちが無くなったとか聞きましたが、ほんとかどうかはしりません。