令和4年2月に、栃木県那珂川町にあるNPO法人大山田ノンフェールというところを1泊で訪問してきました。
東北道矢板インターから1時間以上も走った、那珂川町大山田地区の廃校になった小学校を起点に活動するノンフェール。
25年ほど前にこの地へ移住したカップルが始めた団体です。
ひょんなことからこの団体を知り、機関誌を読んだりして興味を持ちました。
田舎暮らしの先輩の活動状況を参考にしたかったので訪問してみました。
矢板インターまでは自宅から2時間半ほど。
東北道を降りてからは栃木県東部の農村地帯を延々走ります。
このあたり、関東平野の北部なので、平坦な地形がどこまでも続いています。
ちょっとした町や集落をいくつも抜けた先、茨城県との境の低い山々を背景にした那珂川町の大山田地区へとたどり着きます。
10年前に廃校になったという小学校は鉄筋コンクリート製で、まだまだ現役感十分な建物でした。
ノンフェールは、ここの工作室や家庭科室などを利用して、ガラス工芸や機織り、養蜂などのワークショップを開いています。
主宰者をはじめとした、これらの技術のエキスパートは、それぞれ半径20~30キロ圏内に在住しています。
山小舎おじさん一行はさっそく、機織りと養蜂(日本ミツバチの巣箱づくり)のワークショップに組み入れられて半日の活動を行いました。
おじさんは、エキスパートの指導の下、工作室で巣箱を作りました。
同行した奥さんは、機織り機で簡単な織物を教わっていました。
空き時間には、主宰者カップルからこれまでのノンフェールの活動のことや、思いについて聞きました。
田舎に定住する過程ではいろいろあったが、自分たちのスタンスを崩さずに〈無理して地域に迎合しようとせ
ず、できることはやるが、できないことはしない〉という姿勢でいると、地域の中の同じような考えの人が味方
になってくれた、とのことでした。
この25年間は、カフェをやったり、女性のシェルター施設を運営したり、障がい者支援活動を行ってきたとのこと。地域と、ある時は戦い、ある時は議論し、ある時は妥協し生き抜いてきた、ひと世代上の主宰者たちの逞しさ、行動力、知的レベルの高さ、を感じました。
現在では廃校でのカフェ経営や、各種のワークショップ運営を中心に行っているとのこと。
廃校は地域の知的ターミナルとなり、また様々な人材の交流場所になっています。
宿泊は、主宰者の母屋に隣接するゲストハウスで。
食材は畑で取れた野菜が中心。
パンやヨーグルト、ジャムなどは主宰者が手作りしていてくれましたが、これの美味しいこと。
頭脳だけではなく、体も手も動く主宰者たちの〈実力〉を改めて感じました。
また一つ学びの場が増えました。